2016年12月17日土曜日

照沼重輝の中国彷徨記(夜河の遊覧)・・・18

2016.12.17土 曇天 午前5:15
 千島湖の近くの流行ってない淋しいホテルに泊まった。夕食は山の中の田舎レストラン
で摂った。温かいビールと山菜、豚肉の不明料理等を食べて終わりにした。とても風景や
風情を味わうようなわけにいかない場所であった。ホテルの戻り、村の観光案内を読んで
みると、夜の8時に河昇りの遊覧船があることが分かった。船は100人くらい乗れる大きな
船である。中国の河は桁外れに広く、日本の河という概念では理解は無理である。
その始発ステーションに行ってみた。何処にこんな観光客がいたのか不思議になるほどの
人が集まっている。船を覗くと立派な観光船である。ためらわずに切符を買い、いそいそと
船に乗り、良い場所に座り、船が進む前方の暗闇に目を移した。蛍と虫の乱舞が照らし
出され、虫の音色が聞こえてきそうな雰囲気であった。客が一杯になると、船は汽笛を鳴
らし音もなく出港した。船のサーチライトで前方が良く見えるた。大木の緑の葉、猿が追っ
てきそうな岩肌、夜鳥の群れ、青白い月等が夜の行脚を醸し出している。船は静かに
河を上っている。最初は目を見張って見ていた景色も飽きてくると、自然に観光客の方に
目が移っていく。親子連れ、若夫婦、職場の仲間、恋人どおし、老夫婦を連れた子、
仕事で来て、ついでに観光している人等が見られた。船は1時間の遊覧を経て、広い
淵でUターンをして帰路に就いた。思うに、遊覧の1時間は幻想的な密林と河の水の
匂いで終わったのであった。
              アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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