2015年5月29日金曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(ゴーストハウス侵入)・・・49

2015.5.29金 曇天 午前4:50
  水戸弁・・・風邪が治んねーだ、くしゃみが連続で出てんだ、大人しくしてっぺ。
   突入した、開いたままのドアから「ハロー、ハロー」と言って中に入った。物音一つ
しないハウスのなかは、静まり返っていた。時々風が屋根を伝わる音がするだけで
ある。ハウスの一部は店になっていたようだ。古い店の機材が散乱していた。ドアの
右手が事務所になっているので、意を決して事務所に入った。事務テーブルの上に
は、吸いかけの煙草が灰皿に横たわり、メモ用紙が散乱し、筆記具なども散らばって
いた。危ない、何かを集中して見ている後ろから、暴漢が来る場合も考えて壁を背に
して全体を見るようにした。今まで事務を執っていた形跡もあるが、誰かが住んでい
るような人の気配は無かった。シーンとした部屋から聞こえる音は無し、人の気配は
全く無し、私はそれでも警戒心を解除しないで、店の部分に移動した。古い冷蔵庫や
埃だらけのテーブル等が散乱していたが、砂漠の中で売っていた冷たいアイスクリー
ムの宣伝が、壁に書き込まれている箇所に目を奪われたのである。その壁に書かれ
たアイスクリームの文字は、熱い砂漠の中で一番の清凉感があったものでした。
思わず暑さを忘れ、更に奥に進んだ。アメリカ大陸の西部を渡る旅人の姿を連想
しながら進んだ。窓のガラスは悪戯か、風で破れたのか分からないがところどころ
が破れている。破れたガラス窓から雲一つない青空が見える。思わず、しばしの間
青空を眺めてしまった。青空に軍用ジエット機が飛行雲を描いて飛んでいた。
上空を忘れ、緊張感を戻して更に中へ進んだ。
                                  アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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