2016年6月22日水曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(深夜音)・・・21

2016.6.22水 曇天 午前7:03
 ワシントンからテネシーに向かう途中、眠れないまま深夜音を聞いて旅の
旅愁を深く感じた。夜半に目が覚め、眠れないまま、耳を立てて、大陸の地球
の深夜音を楽しんだ夜があった。
 遠くから大陸横断鉄道の列車音が聞こえる。その合間に風の音が聞こへ、
そして、木々の揺れる音が聞こえた。深夜の列車音は一定のリズムで聞こえ
やがて遠ざかっていく通りすがりの音であった。風の音は人間の力を寄せ付け
ない凛とした音である。木々の揺れる音は人間に注意感を持たせる音である。
いずれの深夜音も人間に愁いを与えてしまうのである。俺は寝られないまま
寝返りをうって、右の耳と左の耳、それと全身で深夜音を耳から体内に入れた。
 日本から1万キロ以上離れたアメリカ大陸で詩人になった気分で寝られない
ままの夜を過ごしている俺であった。これ正に旅の愁いか憂いか分からない
夜である。
           アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝 

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