2016年5月11日水曜日

照沼重輝の中国彷徨(朝鮮方式)・・・37

2016.5.11水 雨 午前6:00
 青島の五つ星ホテルに泊まった夜の食事は焼肉飯店と決めた。本場の
チマチョゴリを着た女性が給仕をしてくれる海岸沿いの店に行った。どうして
こんな海岸線の急な斜面に店が建てられるのかなというような場所にある
店である。窓際のテーブルに席を取った。同伴者は青島で魚加工をしている
俺の親戚の会社の女性通訳と男性の渉外係である。本場の焼肉店の店作
りは、朝鮮族の一種独特の雰囲気を醸し出していた。白木模様をふんだんに
使い、壁やテーブルや椅子までが白木模様であった。おまけに焼肉の鉄板は、
ジンギスカーンの帽子風であり、箸は鉄製、器も鉄製、小皿から大皿まで銀色
をしていた。箸と皿が接触すると歯が浮くような錯覚に陥るのが朝鮮料理で
あると思っている俺の先入観が食欲にブレーキをかける。それが俺の朝鮮
料理の記憶である。チマチョゴリ嬢が手際よく料理を運ぶ間に、俺は急斜面の
窓から東シナ海の水平線を眺めた。ぎらぎらの太陽、はてしない青空、
水平線が見える海、商船と漁船が同居する湾、目を海岸線に移すと
打ち寄せる波、白く輝く白浜に幾多の木の残骸、一寸目を移すと、白筋の
波がリズム良く遠方まで打ち寄せていた。「カチャン」の音で我に返った。
テーブルには朝鮮料理が揃っていた。
 食事の内容は次回。
           アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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