2017年1月8日日曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(錆びた車)・・・19

2017.1.8日 晴 午前6:13
 軍隊の爆弾実験を見学してから、更に奥地に進むと、燃え尽き錆びた車輛が横たわって
いた。車を停めて近寄ると、その車は真っ赤に錆びて、無数の穴が開いていた。良く見ると
その穴は銃弾の穴である。拳銃などの穴でない、一定の幅で銃弾の穴が開いている。
自動連射ができる銃で撃ったような穴であるから、機関銃などで撃った穴であることが分か
った。ここは日本人には考えられない地であることが分かった途端に寒気が起きた。最初
の危険は爆弾実験、次の危険は自動銃を自由に撃っている者がいる場所、道路の交通標
識にも無数の穴が開いている。確かに、交通量は全く無い。危険ゾーンだから一般人は入
らないのである。その地にノコノコ私たちは入り込んでしまったのである。進むか戻るかの
判断をしなくてはならない。私は道路のタイヤ跡を観察した。トラックのような跡や普通車
のような跡が新旧かどうかを見た。タイヤ溝で盛り上がった土を指先で壊してみた。薄く山
になった土の壊れた中の土の乾きがどの程度かを観察した。あまり乾いていなかったので、
車の通りは先ず先ずあるのだなと判断し、更に進もうと決断をした。車をゆっくり、周りの
景色を観察しながら進めた。心の準備として、武装強盗が現れたら、無抵抗で物を渡す、
撃ってきたら曲線を描いて逃げるか抵抗しかない等と心の準備をしながら湖へ進んだ。
やがて岸辺が見えてきたので、私はホッとし用心のため周囲が見渡せる場所に車を
停めた。
              アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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