2015年7月19日日曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(なんと遠い山)・・・72

2015.7.19日 快晴 午前6:10
  水戸弁で・・・4Kmの散歩で最初に出会った人は犬を連れていた、最後は太った奥様。
  遠くに見えた筑波山のような山に里心を出して向かったが、途中で道を迷い、その山は
どんどん遠くになってしまった。二股道路で右に行くべきを左に向かってしまったのが、
ミスでした。ここで日本的に考えて近いと思ったのが間違いであった。車はオレゴン州と
ネバダ州の州境の峰を横切り、オレゴン州の人家の無い田舎道を北上していた。遠くに
見えるは、オレゴン州の一寸した山脈、近くに見えるは人がいない原野だけである。
山間の夕暮れは早い、あっという間に太陽がおちてきた。心細くなってきた、ガソリンは
ないが食べ物はあるので極度の心配までは至らない。ガソリンの残量と走行可能距離を
計算した。あと50Kmは走れるが、ここはアメリカだ。100Kmは何もないのが普通だ
から、運が悪かったらガス欠で野宿になり、運が良かったら車に鱈腹油を食べさせられる。
くねくねの坂を登ったら、人家が一軒あったので、一寸安心した。何やら大工工事をしてい
る黒人がいた。車を降りて尋ねる。「ガスステイションはあるかね」彼は指をさして「バック
しろ」と叫んだ。「距離は」と再質問をした。「30マイル」と答えてくれた。やや安心するも
ガソリン残量と走行可能距離が等しい。「ゴールドラン」の町名を急に思い出した。
もしかすると、ラッキー又はアンラッキーどっちに出るかを試したくなった。坂を下ろう、
いま来た道を戻ろうと決心してUターンをして、坂を下り始めた。ぎりぎりの選択だから
スリルがある。それに、下りはガスをあまり使わないで走行できる。ためらいのない決心
は、鬼神も排除できる思い出した。それにしても、筑波山の山にお目にかかれないばか
りか、とんでもないオレゴン州の山に迷い込んでしまった。人家が懐かしくなり始めた
心境で坂を降り始めている。
                                         アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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