2016年9月2日金曜日

照沼重輝の中国彷徨記(烟台の浦島太郎物語)・・・9

2016.9.2金 快晴 午前9:02
 この町は日本人にはあまり知られていない。俺は朝鮮半島の向かい側のこの町に行った。
半分は物見遊山で半分は輸入品の開拓であった。産直品はリンゴとトウモロコシであり、
観光は海が売り物であった。産直品は輸出できる代物が無かったので、観光ルートの開発
を探す羽目になった。海際を歩いて潮の匂いをかぎ分けてみた。海洋国日本の塩と同じよ
うな匂いがした。浜辺に転がっている海藻を拾い、俺は鼻に押し当ててみた。日本の海藻
と同じ種類であったが、匂いは微妙に違った。浜辺の沖を見ると大小さまざまな島がニョキ
ニョキ立ち、遠くの海を遮っている風景である。暫く、浜辺を歩き、様々な海の光景を思い
出して、昔の海での経験を思い出した。子供の頃の村松海岸、青春時代のほろ苦い浜辺、
大人になってから悩む時や苦しい時に一人立った浜辺、アメリカのサンタモニカの海岸、
スンフランシスコでのゴールデンゲートから見た海岸等等、色々思い出して歩いた。看板
が目に入り立ち止まって眺めたら、日本の竜宮城伝説の看板が立っていた。日本のコピー
かと思いよくよく読んでみると中国独自の竜宮城物語であった。竜宮城物語は中国の伝説
であったのかと考えたが、その後に調べていないので謎のままである。俺は子供の頃に
親に読んでもらった浦島太郎を本当の話と思っていたので、海の中を見てみたい願望が
中学生のころまで続いていたことも思い出した。
              アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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