2016年4月26日火曜日

照沼重輝の中国彷徨(軍隊ホテル)・・・32

2016.4.26 火 晴 午前6:00
 大連に初めて行った時に安いホテルが無くて困ったことがあった。色々
探して落ち着いたのが軍隊学校の前にある軍隊用ホテルであった。外観
は一般のホテルと変わらないが、中に入ると結構な贅を尽くしていた。特
にレストランの食事は贅沢料理であった。軍隊には若い隊員が多いし、
隊員の親族等が慰問に来た時に粗末な扱いでは困るからであろうと思っ
た。大連は魚介類が多く取れるので、それらを中心とした料理が安く食べ
られた。このホテルの部屋のつくりは軍隊式であり、昼間も夜も訓練する
叫び声が良く聞こえた。突然、朝方未明に軍隊式のイチ・ニー・サン等の
掛け声を耳にした。そのたびに俺は神経のどこかが緊張するのであった。
夜半未明の掛け声に俺はソーッとカーテンを開けて、軍隊学校の運動場
見たりした。一列縦隊の長ーい列が竜のようになって続く夜半の訓練を
盗み見した。その緊張感は俺の体に染みわたり、心地良い緊張感を
味わいながら、二度の眠りにつくこともあった。
 軍隊の掛け声は勇壮だが、戦争が無い時代の掛け声なので、どこかに
平和を愛する掛け声となってしまっているように聞こえた。
          アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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