2015年6月28日日曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(爆発前、爆発後)・・・62

2015.6.28 日  曇天  午後4:30
   水戸弁で・・・日曜日は草取りに追われるのだ、一週間で生えてくるんだ。
   俺はアメリカ陸軍軍用トラックの後ろで前方を睨んで待機した。カメラは何時でも取り
出せるようにしていた。時折、通行止めをしている兵隊が後ろを睨んで、俺を牽制して
くる。俺はポケットから日本の黒飴を出して監視兵に差し出した。「日本のキャンディ」
と言ってみたら、「サンキュー」と言い受け取った。「ボン、スモール」と監視兵ははにか
んだ。3Km先で爆発させるから、車の陰にいろという。そのうちに、大きな音がして
黒煙が垂直に起った。俺は初めて爆弾の地響きと音と立ち煙を見た。戦争なら少なく
とも数十人か数百人が犠牲になる場面だ。あんな物が近くに落ちるか、爆発した
直ちに委縮して、何も出来なくなるだろうと思った。それでもボンスモールとはにかんだ
白人兵の顔がいやに遠慮した顔であったのが気にかかった。俺は彼が軍人としては
小さな爆弾を相手に監視兵を命令されたことを恥ずかしがったのだろうと思った。
そこで、俺は大げさに親指を立てて、監視兵にゴマをすった。終わったから通過して
良いと指示が出たので、車に乗り込んで先に進んだ。ソルトレイクの淵に到達するの
が近くなったことが、周囲の風景から感じられてきた。サボテンみたいない植物と荒れ
た砂地、ペットボトルの残骸などは一本もない荒れ地へ侵入した。先ほどの爆弾の
興奮が覚めてきた時、塩湖の淵に着いた。まるで雪の湖に見えたので、頭の中が北国
にいるような気分になってしまった。明日は塩湖の淵で白を観察したを記載します。
                                        アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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