2015年6月25日木曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(ソルトレイクの夜)・・・59

2015.6.25木 雲り 午前5:40
   水戸弁で・・・昨夜はあづまりで一寸遅くなったぺ、夕飯が食べられたのは9:00だー。
モーテルから徒歩で明かりが点いている方に歩いたら、コンビニがあったので中に入
った。しめしめ、美味いものが食えるかなと一瞬喜んだ。大柄の店員が大きな手で品物
を並べていた。その手に優雅さは全く無く、どちらかと言えば、食欲を落とすような手に
見えた。俺はその店員が触ったと思うような品物は避け、店員から離れた場所で食べ物
を物色した。アメリカらしく、サンドイッチ、チーズ、乾パンみたいな菓子、要するに俺から
見たら非常食売り場のようなコンビニであった。がっかりだ、と思った瞬間、店員が「ハロー
」と声をかけてきた。俺も元気良く「ハロー」と返した。俺はその後の英語が不明だから、
愛想良く笑顔を向けた。心の中はがっかりしている。美味いつまみが無い、俺が持ってい
る酒は日本製の焼酎がメーンであるから、チーズや乾パン等には合わないのだ。俺の
好きなツマミは、イワシなどの小魚を干した物やスルメ等である。これらが無いと分かった
瞬間、飲酒や食欲のかたまりが萎えてしまった。チーズや乾パンを買って、肩を落として
代金を払い店を出た。乾パンを抱え、とぼとぼとモーテルに向かった。途中の人家の明か
りを見て、部屋の中の食卓が嫌でも頭に浮かんでくる。この家の食卓の上には、ジュージュ
ーと油が浮かんでいる肉や魚が溢れているかもしれない。余り物でも良いから恵んでくれ
ないかと考えながら部屋に戻った。何も無いとなると、余計に惨めな考えが浮かんでくる。
力無く夕食の準備を始めた。
                                          アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

0 件のコメント:

コメントを投稿