2015年10月18日日曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(危険と対峙中)・・・新30

2015.10.18日 快晴 午前7:00
 午前2:00過ぎ、その捕り物劇は開始した。俺は一部始終をカーテンの隙間から眺める
ことができた。先ず、パトカーが一台二台と押し寄せ、合計8台が犯人たちを取り囲んだ。
黒人4名を別々にパトカーの屋根に手を載せさせて、各々に一人づつの警官が拳銃を向け、
もう一人の警官が身体をま探っている。それは靴を脱がさせズボンの折り目から、
帽子の隅々まで検査をしていた。残る警官は隣の駐車場の空き地に何か証拠物が捨てら
れていないか、懐中電灯をつけて地面を横一列に検証していた。犯人たちに追われていた
参考人もパトカーの後部座席で警官から事情聴取されている。参考人の参考人も別の警官
から事情を聴かれている。午前2時、3時と時間が過ぎていく。俺はカーテンの隙間から
飽きずにその捕り物劇を観察した。ニューオリンズのパトカーには、後部座席に檻がついて
いた。犯人たちは各々手錠をかけられ、パトカーの後部座席の檻に押し込まれている。
 事情聴取や証拠物の収集とか、警官が手際よく犯人たちを檻に入れ、捕り物劇が終了
した。その開始から終了まで2時間はかかったようだった。犯人たち4人はパトカーの
後ろの檻で喚いていたが、そのうちおとなしくなり、パトカーに連れ去られた。
 思うに、深夜のモーテルのドアを叩く音で、俺はドアを本能的に開けてしまったが、
アメリカでの間違った動作であった。アメリカでは絶対に、相手を確認してからでないと
ドアを開けてはいけないのだ。運が良かったというほかない出来事であった。
               アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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