2015年8月14日金曜日

照沼重輝のアメリカ彷徨記(染髪剤と枕カバー)・・・新7

2015.8.14 金 午前5:00
   水戸弁で・・・昨日はジョイ本から家まで歩いて帰ってきたっぺ、1時間40分かかった。
朝起きたら、窓から見えるニューヨーク湾の朝日が美しく見とれていた。昨夜汗をかいた
ので粗相が無いかベッドを見渡したら、枕カバーが黒い洗髪剤で染まってしまった。
これは困った、よわったであった。安い洗髪料なのか、洗髪剤を吟味しなかったのを
反省した。真っ白い木綿の素敵な枕カバーが見事に俺の汗で黒茶色に染まっていた。
    処置は洗面所で直ぐ洗うか、クリーニング店に持ち込むか、友人に素直に詫びるか、
日本に持ち帰り日本の技術に頼るか、いろいろなことを考えたが、一つを残し、すべて
現実的でなかった。ここはニューヨークの大富豪宅に泊まっているのだ。枕カバーの一
枚や二枚はケチらないだろうが、思い出の品か特別記念品だったら、いくら謝っても
元には帰らない、どうしようの感で俺は極まった。俺は人生を長くやってきた身だ、
日本人でもある、枕カバーを裏返したり、下にしたりしても、この事実は隠せない。
こんな時は謝るほかない。その手しかない場面だと考えたら、早めに謝るの一番
と決めた。俺は身支度を整え、主人の朝食を取る部屋に行った。「すみません、
俺の白髪染で枕カバーを汚してしまった、日本で買って返します」と言うのが
背一杯であった。主人と奥さんは思いのほか執着せず、「ノー、プロブレム」と言った。
大陸人の本心を見たようであった。島国人の狭い礼儀と大陸国の広い礼儀が接触
した場面であった。そのあとの食事の会話でも、おれの羞恥心は解除できなかった。
大陸人の広い友愛心を見習うべき日本人と思えた朝であった。明日はワシントンに
向かうを記します。
                                         アメリカ・中国大陸馬賊隊・・・照沼重輝

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